共役勾配法を用いた全電子混合基底法による銅クラスターの構造最適化計算

All-Electron Mixed-Basis Calculation with Conjugated Gradient Method to Optimize Structure of Copper Clusters

東北大工院 ○ベイ栄造 東北大金研 Keivan Esfarjani 大野かおる 川添良幸

【目的】第一原理分子動力学法は、原理的には一切のパラメータを用いずに有限温度でのあらゆる分子やクラスターの安定性・反応性などを動的に記述できるものとして、大きく期待されていた。しかし、現状では世界最高速のスーパーコンピューターを用いても単位胞中の100個原子程度の運動を取り扱うのが限度であり、動力学を行うことが可能な時間もせいぜい数ピコ秒である。これらの問題を解決するため、より高速で高精度なシミュレーション計算技法である全電子混合基底法に共役勾配法を用いることにより電子状態計算の収束を速め、銅クラスターの構造最適化を行うことを目的とする。

【方法】当研究室では従来、最急降下法(Steepest Descent Method : SD法)を用いて電子状態を計算してきた。この方法を用いると、エネルギー散逸を可能な限り抑え、全エネルギー一定のシミュレーションに近づけることができる。このSD法より収束の早い方法として、共役勾配法(Conjugated Gradient Method : CG法)がある。この方法は反復解法の一種で、連立一次方程式を解く。また、ブロイデン法(Broyden Method)を採用すれば、古い電荷密度と新しい電荷密度の混合により収束を更に速くする事ができる。これら、共役勾配法とブロイデン法とを全電子混合基底法へ適用した所、SD法を適用した計算に比べ、電子状態計算の収束が速くなり、また、計算精度も向上した。この計算手法を用いて銅クラスターの電子状態の構造最適化計算を行ったところ、興味深い結果が得られた。


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