JMTR照射したFe-Cu合金の強度特性・微細組織相関

Correlation between hardness and microstructure of Fe-Cu model alloys after JMTR irradiation

東北大(院)〇べい栄造、東北大金研 木村晃彦、松井秀樹、長谷川雅幸

【目的】 軽水炉圧力容器鋼の照射脆化に関しては、照射欠陥と照射誘起のCu析出物が主因であると推測されているが、それらのサイズが非常に微細であり、電子顕微鏡による微細組織観察では確認できないとされている。そこで本研究においては、JMTR照射したFe-Cuモデル合金の強度特性・微細組織相関についてTEM組織観察法および陽電子寿命測定法の双方を用いて調べ、鉄合金の照射効果支配因子を明らかにすることを目的とする。

【実験方法】 試料は、JM鉄(99.99%)を出発組成とし、アーク溶解にて作製した、純Fe、Fe-0.35C、Fe-0.3Cu、及びFe-0.35C-0.3Cuの4種類で、それぞれ急冷(WQ)及び急冷後焼鈍(WQH)を施した後、JMTR多分割制御照射を行った。照射温度は190℃であり、照射量は、(1)1.9x1017、(2)4.2x1018、(3)1.4x1019、(4)3.2x1019n/cm2である。照射後、硬さ試験、陽電子寿命測定及びTEM組織観察を行った。

【結果及び考察】 1)純鉄(WQ材)の照射後硬度は、照射量(1)によって一旦軟化の傾向(Hv118(non irr.)から98)を示したが、以後、硬化に転じ、(3)から(4)の照射にかけて飽和の傾向を示した(Hv182(3)およびHv188(4))。 2)この試料の陽電子寿命2成分解析の結果、長寿命成分の寿命(t2)は、照射量(1)から(3)にかけて約350から400psへと照射量の増加とともに徐々に増大したが、強度は逆に低下し、照射量(4)においては、長寿命成分が消滅した。 3)TEMによる組織観察の結果、長寿命成分の消滅した照射量(4)の純鉄において直径が数nmから20nm程度の高密度のDot状の損傷組織の存在が確認された。他の合金の結果については、当日報告する。


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